2016年にMJのゲスト講師として来塾なさった文藝春秋デザイン部の野中深雪さまからお声がけいただき
林真理子さんの単行本「Go To マリコ」(文藝春秋 3月10日発売)の装画とモノクロカット数点を担当いたしました。
↓マスクなし
↓マスクあり
こちらの本は、週刊文春に掲載中のエッセイ「夜ふけのなわとび」に昨年掲載した記事をまとめた1冊です。
ちょうどコロナ1色だった2020年を振り返るような構成で
林真理子さんがこの時期どのように過ごしていらっしゃったのか垣間見れます。
そしてなんとこちらの連載は「同一雑誌におけるエッセーの最多掲載回数」として
昨年10月にギネス世界記録に認定されたばかり!
制作の経緯
ご依頼時は、タイトル背景にマスクを敷くことは決定事項。背景に自粛期間中に林さんが思いを馳せた食べ物を自由に描いてほしい・・・というご要望でした。
原稿を読んで出した3案のうち、「2020年は香港や流行病など、中国周辺地域の動向に目が離せない年であった」ことをふんわりと表現できないかと、返還前に家族と行った香港の飲茶を思い出して描いた案が採用されました。
↓こちらが通った案のラフvar.2です。
四半世紀前、朝食として訪れた薄暗い飲茶店では、フロアに円卓がずらりと並び、その間を縫って店子さんが大量に蒸籠を乗せたカートをお客の元に運んできて、好きなものを選んでもらっていました。中には鮮やかな発色で味の想像もつかないものもありましたが、父はお構いなしに手当たり次第指差し、円卓があっという間に蒸籠で埋められていきました。「贅沢だな!」「食べきれないよ」「なんだこれ!」「すんごい色だな」「これは美味しい!」「しょっぱいと思ったら激甘だった!」など、その時感じた驚きや印象が、林真理子さんのエッセイにもな重なるようで相性良いかも・・・と思った次第です。
因みに蒸籠の中のお料理には、本文内に出てくるものが多数含まれます。
ぜひ、探してみてください!(答えはページ最下部にございます)